会社設立と株式会社

みなさんは有限会社という言葉を聞いたことはありますでしょうか。古くから事業を行っている小さい会社の中には、このように有限会社○○といった名前を持つ会社もあります。しかし、近年ではそれらの有限会社が設立されている様子は見かけません。これは人気や流行の問題ではなく、制度が変更になったことによるものなのです。会社設立の際には、これらの事柄も少しおさえたうえで実際の手続きを行う必要があるでしょう。

会社設立にあたっては、やはり株式会社○○という会社をつくることが一般的です。実は昔の制度によると、株式会社の設立のためには資本金が最低でも1000万円、有限会社の場合は最低の資本金が300万円必要でした。しかし、近年の法改正によって会社設立の際の最低資本金の定めがなくなりました。つまり、1円でも会社設立が可能ということなのです。また、これによって有限会社を新たに設立することはできなくなりました。だからこそ、有限会社○○という会社名は近年の会社では聞かなくなったのです。

では、会社設立のための資金が少なくてもよくなったからと言って、設立しやすくなったということが言えるのでしょうか。おそらくそれは違うでしょう。会社を経営するためにはお金が必要です。初期投資として設備や人員の確保に使うお金もありますし、そこから実際に事業を始めて売上金を回収するまでの間に必要となる資金、つまり運転資金も必要になります。ですから、1円で会社を作ることができると安易に考えることはせず、よく考えて初期費用をねん出する必要があるのです。

初期費用として手元に持っておく金額は、一般的には三か月分の運転資金程度あれば安心といわれています。ですから、事務所を借り、設備投資を行い、人員を確保し、さらに三か月分の運転資金を手元に用意しておかなければならないというわけなのです。そこまでのお金を開業時にもっているかたはほとんどいらっしゃいません。ですから、銀行からの借り入れを利用してその運転資金を調達してくるのです。

健全な会社の経営は、やはり現預金をある程度確保しておくことができる会社でしょう。せっかく株式会社を設立するハードルがさがったのですから、必要経費をよく考えることで、1000万円もの資金を準備しなくても健全な経営を行える会社を設立することは可能です。特に、IT関連の会社であれば設備投資は少なくて済みますので、数百万円あれば十分可能なのではないでしょうか。